暮らしと働き方

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SNS疲れの時代に、心穏やかに発信する方法。私がYouTubeに注目した理由。

私、InstagramやXといったSNSに疲れてしまいました。
同じように感じている方も、きっと多いのではないでしょうか。

バズや映え、流行に振り回されずに、自分の世界を大切にしたい。
そんな思いから、私は今のSNSで何が起きているのかを改めて調べ、InstagramやXに頼らずに、デザイン・イラスト・絵画といった創作活動をどうすれば認知してもらえるのかを考えてみました。

その過程で見えてきたことを、今回は記録としてまとめておきます。

まず私がSNSと真剣に向き合ったきっかけ

私は去年独立し、フリーランスデザイナーとして制作会社の業務委託や請負を行っていました。

様々な人と関わる中で、自分は何が得意で、何がしたいのかをじっくり考えるようになりました。

その結果、名もなき裏方のデザイナーではなく、自分の名前で責任をもってものづくりをしたいという気持ちが明確になりました。

今年の夏から自分ブランドを立ち上げるための準備を進め、デザインポートフォリオのリニューアルや、イラスト・絵画活動の本格始動、SNSでの発信を開始しました。

昔のSNSの感覚での運用は通用しない

実務で磨いてきたスキルや実績を提示しても、正直、自分よりクオリティが低いと感じるデザインに自分より多くのいいねがつき、フォロワーも多い。
思ったように見てもらえないうえに、納得のいかない評価の現実に直面しました。

かつてのInstagramやXには、新規参入者でもチャンスのある場所でした。
それは、当時のアルゴリズムが新しいユーザーや投稿を積極的に表示していたからです。
誰もが平等に発見される可能性を持っていました。

しかし今は状況が一変しています。
現在のSNSは「リアクション依存型」と呼ばれる仕組みが中心になり、いいね・保存・コメントといった数字が評価の基準になりました。
この構造は「反応が少ない=否定された」と感じるもので、無意識に自分の価値を数字で測ってしまい、知らず知らずに精神的な疲労を溜めてしまったように思います。

世界的に「インスタ疲れ」が広まり、SNS離脱が起きている

実際、世界的にも同じ現象が起きてるのだそうです。
「インスタ疲れ」「エンゲージメント離脱」といった言葉が世界的に使われ、SNS離脱が増加傾向にあります。
よって今後、クリエイターが自分を消耗せずに発信できる場所を探したり、作ったりしていく流れになるのだろうと感じます。

私が再注目しているのはYouTube

そんな中、私が今注目しているのはYouTubeです。

以前は「動画編集が大変そう」という理由で避けていましたが、最近はショート動画を中心に発信するクリエイターが増え、気軽な内容でも十分に認知を広げられる仕組みが整ってきています。

さらに、CanvaやAdobe Express、Editsなど、動画を簡単に編集できるツールも増えたことで、動画制作のハードルは大きく下がりました。

今では、昔に比べて定期的に続けやすい環境が整っていると感じます。

今のYouTubeは「非リアクション型SNS」に近い

昔のYouTubeは、高評価やチャンネル登録者数が多くないと伸びない印象がありました。

しかし現在は、コメントやいいねの数よりも「視聴時間」「滞在時間」「リピート率」で評価される仕組みになっています。

つまり、リアクションをしない静観型の視聴者も、きちんと価値としてカウントされるようになったということです。

これは、他のSNSとの大きな違いです。
どういうことかというと、InstagramやXは「消費型コンテンツ」が中心で、投稿が見られるのは基本的に数日程度。
拡散のピークを過ぎると表示されにくくなり、投稿の寿命が短いのが特徴です。

この仕組みでは「バズ」や「映え」といった瞬間的なインパクトが重視されるため、派手さや勢いのある内容が好まれる傾向があります。

もちろん、それが得意な人にとっては相性が良い環境ですが、流行に左右されず、自分の世界観や余韻を大切にしたいタイプのクリエイターには、やや過酷な舞台でもあります。

一方で、YouTubeは「ストック型コンテンツ」です。
たとえショート動画であっても、ユーザーの検索や関連動画の仕組みで長期的に再生される可能性があります。
つまり、YouTubeでは一度投稿したものが時間をかけて評価され、地道に質の高い動画を作り続ける人が報われやすい環境が整っているのです。

「静かな創作活動」という考え方が広まってきている

海外ではすでに「Quiet Creativity(静かな創作活動)」という考え方が広まりつつあるのだそうです。

どういう考え方いうと、SNSでの競争や承認欲求から距離を置き、PinterestやYouTubeといったストック型の発信に軸を移す動きです。

一瞬のバズを狙うよりも、流行に流されない個性を育て、自分の世界観を丁寧に伝えていく。
そうしたクリエイターが、これからの時代により評価されていくように感じます。

心穏やかに楽しく創作活動を発信するために

この半年、Instagramを軸に活動してきましたが、これからはYouTubeを軸に、Pinterestやブログといったストック型コンテンツでの発信に力を入れていこうと思います。

YouTubeチャンネルは7月末に開設したばかりで、登録者数はまだ2人。
それでも、この切り替えをきっかけに、どれだけ多くの人に自分の活動を届けられるのか、この目で確かめてみたいと思っています。

バズを狙わずに認知を広げる——
そんな新しい時代の発信スタイルを、これから実践していくつもりです。

SNS疲れを感じることは、決して弱さではありません。
むしろ、時代の変化を敏感に受け取っている証拠であり、感性が成熟していると私は考えます。

だからこそ、既存の正解や一般的なルートにとらわれず、自分にとって居心地の良い環境を探し、見つけていくことが自然な進化だと感じています。

さらに、AIを使った創作が広まる今だからこそ、流行や雰囲気に流されない作品こそ、人の心に深く響くと信じています。

勢いや映えに頼らない、成熟した穏やかな創作活動を——
「誰かに見せるため」ではなく「自分の世界を育てるため」に発信する。

この考え方こそが、今の時代の表現者に必要な意識であり、見る人の心に静かに届き、世界を少しずつ整えていく第一歩だと思います。

この記事を書いた人

Kasumi Nakatake
絵を描くデザイナー
nakatake kasumi

宮崎出身、福岡在住。デザインと絵を描くことが好きなフリーランスクリエイターです。
デザイン業をメインに、絵の制作やハンドメイド雑貨の販売もしています。
デザインや絵のご依頼は常に承っているので、お気軽にご連絡ださいませ。

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